豊かな時代なのに、なぜいろいろな問題が起きるのか?
子育てには悩みはつきものですよね!
子育て中のお母さんには、本当に頭が下がります。
でも、誰に相談したらいいのか分からないと、頭を抱えているお母さんもいっぱいいるのではないでしょうか。
このページを見ているということは、子育て中の悩みを何か持っているのではないですか?
そんな悩みについて一緒に考え学んでいけたらと思っています。
このシリーズでは、臨床心理学者である河合隼雄先生の『Q&Aこころの子育て―誕生から思春期までの48章』(朝日文庫) をまとめながら、学んでいきたいと思います。
この本は、Q&A形式になっていて、お母さんの質問に河合先生が答えるという形で進んでいくので、本当にわかりやすいんです。
自分も何回も見返してボロボロになっているほどです。笑
では、さっそく第1回目の質問を見ていきたいと思います。
Q「豊かな時代なのに、なぜいろいろな問題が起きるのですか?」
河合先生A「みんながこころを使うことを忘れているからです。」
物が豊かになった弊害
日本人は、「物が豊かになれば人生は楽になるはずだ」と長い間、そう思ってがんばってきました。戦争などによって物が無い時代を経験した反動から、物がある=幸せだと信じてきたのです。
しかし、河合先生は、「(物があると)人生はむしろそれだけ難しくなるんです」といいます。
それは、「物が豊かになった分だけこころを使わないといけないから」。
本当は、物が豊かになればなるほど、こころ使う必要があるのに、物事を安易に物やお金で解決できる時代になってしまっているのです!
いい意味でも悪い意味でも、ラクができる時代になっているんですね。
人間って本当に弱いもので、ラクできる道に流されてしまいがちです。
自分も、少しでも便利な電化製品が出れば食いついてしまうタイプです。
どうしても効率を求めて生きてしまいがちですよね。
しかし、気をつけないといけないのは、こころを使うのを忘れ、サボったりしていると、子育ての面でも問題がいっぱい出てきてしまうのです。
物が豊かになった現代だからこその問題と言えます。
以前であれば、生きるので精一杯で必死に生きていたところから、今は命の危険がない、安心な毎日、満たされた中でどう子どもを育てていくのかが課題になってきます。
人間関係は希薄になる
豊かな世の中になると、どうしても人間関係は希薄になってしまいます。一昔前は、何を買うにしても、人と人が顔を合わせて買わなければならなかったけど、今は、何でも自動販売機で機械と人がやりとり出来るようになってきていますよね。
便利になると、それだけ人と関わらなくても生きていけるようになってしまうんです。
当然1日誰とも合わない日とかも出てきますよね!笑
スーパーに行っても一言も喋らなくても物が買えてしまう時代になっています。
人と会えば挨拶をしたり、世間話をする、買い物でも話をしながら「ちょっとまけて!」と値切ったり。そういう人間関係がどんどん無くなってきていますよね。
つまり、「便利=こころのエネルギーの節約」になってきています。
人間関係が希薄になることで、こころのエネルギーは省エネモードに入ってしまっているんです。
あまりにも省エネでエネルギーを使わなすぎたら、どこかで使わないといけない。それが問題となって表れてくることもあります。
こころを使う
物が豊富になった現代の生き方を探さなきゃいけないし、子どもをどう育てるか、こころ豊かに育てるにはどうしたらいいのか、ということも考えていかなければいけません。豊かな時代には、子どもに楽しみを与える時にも工夫が必要です。
例えば、
「うちは誕生日にしかデコレーションケーキは食べない」とか決めればケーキを食べるのが楽しみになるでしょう。ケーキ記念日やないけど「何月何日はケーキだ」というだけでうれしくなる。親がこころを使うと、子どもはこころが躍る体験をするわけです。それが工夫なんです。毎日食べていたら、こころが躍りません。」
河合隼雄『こころの子育て』 21頁
子どものこころが躍る体験をさせてあげる為の工夫!
これが大事なんですね。
何でも、欲しいものを買ってあげたり、好きなことをさせてあげるのが、必ずしも子どもにとって良いとは限らないんです。
本を買うにしても、お金を貯めて、節約をして、手に入れた時のことを想像しながらワクワクする。
こういう子どもは、ずっとこころを使っていますよね!
子どもが「本買って!」と言ってきたら、どうしますか??
親がこころを使うと、
・「この本を買うのは、はたしてこの子のためにいいことだろうか」
・「全集10巻をいっぺんに買った方がいいのか」
・「今日は1冊だけ買う方がいいのか」
・「誕生日まで待たせた方がいいのか」
・「すぐに買ってあげた方がいいのか」
・「うちはそんなもん買わん!!と言った方がいいのか」
こんなにもたくさんの選択肢が出てきます。
これもお金が無い時代なら、買えないから工夫するしかなかったものが、今はどれでもやってあげられる時代。だからこそ、こころを使うことが大事なのです。
親がこころを使うって、子どもの幸せを考えることなんじゃないかなって思うんです。
この子が、幸せになる為に、将来こんな子になってもらいたいから、といろんな思いをのせて子どもに関わっていくことが、こころを使うことなんだと思います。
だからこそ、子どもの心を躍らせる為には、まずは親の心が躍ってる必要がありますよね!
親が楽しそうじゃなかったら、子どもも楽しめない。
まずは、親がこころを躍らせて、こころを使っていきたいところです。
豊かな時代なのに問題が起きるのはなぜ?まとめ
豊かな時代の問題点とその中でしなければならない子育て方法についてまとめました。・物が豊かになった分だけ、こころを使う必要が出てきている。
・子どものこころが躍る体験ができるように工夫してあげる必要がある。
・物がある=幸せではなくて、どうやって今あるものを喜ぶかが大切。
物があればあるだけ幸せのような錯覚に陥ることがあります。
でも、物があることによって不自由になることもあるはずです。
また、身の回りを見てみると、自分がいかに多くの物に囲まれて生きているのかということに驚くことがあります。
物から離れて、少しこころを使う生活をしてみると、また違った世界が見えてくるかもしれません。
省エネモードを切り替えて、こころを使う生き方を実践してみます!!
最後までお読みいただきありがとうございました。
大きな心になりますように。
参考:『Q&Aこころの子育て―誕生から思春期までの48章』(朝日文庫)
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