Q「子育てがうまくいかないのは母子関係が原因でしょうか?」
A「原因が分かっただけでは何の解決にもなりません」
子育てで何か問題が起こってくると、その原因を誰かのせいにして、問題の犯人探しをしてしまうことってないですか?
犯人を探すことで、何とか心を保っているのかもしれません。
しかし、子育てで起こってきた問題は、ひとつの原因には絶対還元することはできないのです。
原因が見つかったところで、何も解決はされない。
原因を取り除いても、また新たな問題が表れてくるだけなんです。
問題を探すより未来を見る
人生で起こることに、「原因・結果」では片付けることはできないんです。
過去を見ても何も変えられない。
これからどうするかっていうことが一番大切なんです。
過去を見つめるのではなく、未来である「これからどうするのか」ということを考えていくのです。
人は簡単には変わらない
人の生き方のパターンは簡単には変えられませんよね。
今日から絶対早起きするぞ!って決めたとしても、それを続けるのって相当難しいです。
早起きが良い!って気づいたとしても、それを変えるのは至難の技です。
子どもを何とか変えようとしても絶対変わりません。
変える為には、家族全体が変わっていく必要があるからです。
家族は、一つのまとまりとしてつながっている。
誰かに問題が起こると、それは家族の誰かにも影響を与えているんです。
一人が変わる為には、家族も変わっていかないといけない。
そうやって見ていくと、子どもの問題は家族全体が大きく変わっていく為のきっかけになっていると見ることができるんです。
どう生きるのか考える
問題に対して原因を追求するのではなく、そこからどう生きていくのかっていうことを考えていくのです。
子どもの問題を通して、自分の生き方を見つめるんですね。
子育てをする中で、自分の生き方が見えてくるんです。
そう思うと、子どもの問題は自分の乗り越えるべきテーマと深く関わっているということがあります。
犯人探しをやめる
何か起こってきても、誰が悪いと決めつけないこと。
母子関係も、今の親と子供の関係だではなく、そのお母さんが子どもだったときの母子関係、そのまた前の母子関係と、たくさんの母子関係が絡みあって今がある。
3代くらい続いている母子関係の問題が今表れているかもしれないんです。
「その家の運命」
「家族のテーマ」
これを子どもが背負っているのです。
犯人がいるのではなく、いろいろな関係が絡み合い、ある傾向が大きくなっていった結果として問題が表れてくると考えられます。
だから、子どもに問題が起きたときには、その家族全体が変わる時が来ているのだと考えてみたらいいわけです。
問題だと思っている子が、実は家族が変わる為のキーマンとなっているかもしれない。
問題となっている子が、本当は家族の問題を背負ってくれているかもしれない。
この考え方は、親が子どもを見る時に持っておいた方が良い視点だと思います。
子どもの見方、問題の見方が必ず変わっていきます。
まとめ
子育ての中で問題が表れている時はつらいですよね。
ついつい犯人探しをしてしまう。
本当は犯人なんていないのに・・・。
子どもが家族の問題を引き受けて背負ってくれている。
こう思えると、少し子育てにも余裕が出てくるかもしれません。
今、まさに問題と直面している方もいると思います。
今の苦労は先の楽しみ。
いつか笑える時が来ることを夢見て、苦しい時期を子どもと向き合い乗り越えていくことを心から願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
大きな心になれますように。
子育てには悩みはつきものですよね!
子育て中のお母さんには、本当に頭が下がります。
でも、誰に相談したらいいのか分からないと、頭を抱えているお母さんもいっぱいいるのではないでしょうか。
このページを見ているということは、子育て中の悩みを何か持っているのではないですか?
そんな悩みについて一緒に考え学んでいけたらと思っています。
このシリーズでは、臨床心理学者である河合隼雄先生の『Q&Aこころの子育て―誕生から思春期までの48章』(朝日文庫) をまとめながら、学んでいきたいと思います。
この本は、Q&A形式になっていて、お母さんの質問に河合先生が答えるという形で進んでいくので、本当にわかりやすいんです。
自分も何回も見返してボロボロになっているほどです。笑
では、第2回目の質問を見ていきたいと思います。