人間はメリットによって行動している
「人間は、その行動をした直後にメリットが生じると、またその行動をするようになるのだ」
奥田健次氏によると、人間は行動に付随するメリットによって次の行動を決定しているのだと言う。
行動分析学は、とてもシンプルでユニーク!!
シンプルなんだけど奥が深い!!
実生活に使える!!
そんな学問です。
発達障碍、自閉症、不登校、リストカット、人間関係などなど・・・。
いろんな問題に対して、行動という視点から切り込んで説明していけるのです。
そんな奥田健次著「メリットの法則」を1章ごとにまとめてみました。
第1章 その行動をするのはなぜ?
第1章のテーマは、
「人はなぜその行動をするのか」
ということ。
つまり、
分かっているけどやめられない
ついついやってしまう癖
などの行動の裏には隠された意味があるということ。
行動には全て意味があるというのが前提にあるのです。
原因を行動随伴性で考える
例えば、奇声をあげるアキラくん。
2歳になっても意味のある言葉はでない。
一人遊びばかり。
遊びも物を並べたり回転するものを見るだけ。
興奮すると甲高い声をあげて、ひきつけのような状態になってしまう。
医師には、「重度のてんかんを持つ知的障害のある自閉症です」と診断。
こんな状態の子供に対してお母さんは、
奇声をあげると困るから、すぐに抱きあげて肩をトントンと叩いてあげるという対応していた。
抱き上げると泣き止むが、しばらくするとまた奇声をあげるのを繰り返す。
図で表すと
メリット有り!!
奇声をあげる(行動)→お母さんに抱きしめてもらえる(結果)というメリットがあったのです。
これでは、奇声をあげるのがどんどん増えていってしまうのは無理がないこと。
問題に関われば関わるほど、その問題を増やしてしまっているのです。
自分たちの身近でも、関われば関わるほど悪くなるってことありますよね。
この悪循環をなんとか変えていかないといけません!!
直後の結果を置き換える
奥田先生は大胆にもこう関わりました。
奇声をあげた時には、奥田先生によってアキラくんを部屋から連れ出す。
という介入をしたのです。
メリットなし!!
その代わりに
一人遊びをしている時に抱きしめてあげることにしました。
メリット有り!!
奇声をあげればお母さんに抱きしてもらえるというメリットがあったのが、
奇声をあげればお母さんと一緒の部屋から連れ出されるというデメリットに変わる。
その代わりに、一人で遊んでいる時に抱きしめてあげるというメリットに変更する。
こうした対応を一貫して行うことでアキラくんの奇声は段々減っていきます。
第1章 その行動をするのはなぜ? まとめ
まとめ
・行動にはすべて意味がある。
・行動と結果が結びつくことで次の行動が決まる。(行動随伴性)
・問題に関わるのではなく、適応行動に関わる方が良い。
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