【基礎心理学】 問題集(全97問)
1 Wundt.W.の立場は、後をうけたTitchener,E.B.により構成主義心理学とよばれた。
2 1879年にWundt.W.は世界で最初の心理学実験室を作ったことから、心理学の祖とされる。
3 行動主義心理学は、意識を心理学の研究対象とすることを認めたが、内観法を用いることを反対した。
4 Watson,J.B.は心理学は観察可能な行動のみを対象とするべきであるとして、意識を対象とする構成主義心理学を批判した。
5 ゲシュタルト心理学では刺激を感覚との間に想定される1対1の対応を恒常仮定と呼び、この仮定を支持する研究を行った。
6 Wertheimer,M.は、視知覚において刺激がまとまりや郡化の要因によって体制化されるだけでなく、視野が全体として最も簡潔で最も秩序あるまとまりをなそうとするプレグナンツの傾向を持つことを示した。
7 Freud,S.は、統合失調症者の治療の経験に基づいて、無意識の動機づけを重視する精神分析学をうちたてた。
8 プレグナンツの傾向とは、体制化が複雑で高度な方向に向かって漸進的に進化する傾向をいう。
9 Adler,A.は劣等感を補償する傾向が強くなりすぎると神経症の症状が生じるとした。
10 Jung,C.G.は葛藤外の自我領域の概念を提唱し、自我の適応機制を重視した。
11 対象関係論は前エディプス期における乳児-母親-父親の三者関係を重視する。
12 対象関係論は前エディプス期の母子関係における二者関係を重視する。
13 Adler,A.は行為の目的性に注目し、神経症を過去の生活史からではなく未来志向的観点から理解すべきだとした。
14 対象を生物学的な本能充足の手段として捉える精神分析の立場に対して、自我を本来対象希求的なものとして捉え、自我と対象との関係を一義的なものと考える立場を対象関係論とよぶ。
15 Adler,A.は性欲を重視するFreud,S.の精神分析学に対して劣等感を重視し、個人心理学を打ち立てた。
16 人間性心理学は、構成主義心理学や行動主義心理学への批判から生まれ、第三勢力の心理学とよばれる。
17 自己理論では、5つの欲求のうちより下位の動機が実現されてはじめてそれより上位の動機へ向かうと仮定される。
18 Frankl,V.は人間の創造性を重視する立場から、創造価値、体験価値、態度価値のうち態度価値をもっとも重視した。
19 人間性心理学は、経験の全体性や個人の独自性の重視、過去や環境からの人間の自由、健康的で積極的な側面の強調、個人への共感的関与などを特徴とする。
20 Rogers,C.R.は人間の動機づけや欲求を重視し、生理的欲求、安全欲求、所属と愛情欲求、自尊欲求、自己実現欲求を階層的にとらえる自己実現理論を唱えた。
21 Rogers,C.は、来談者中心療法の立場から一歩進めて集団力動を利用して症状を除去するエンカウンター・グループを発展させた。
22 オペラント条件づけで望ましくない反応を低減させるためには、望ましくない反応に罰を与えることしか方法がない。
23 オペラント行動は、自発的に生じる反応で、行動の結果として強化が随伴するかどうかによってその頻度が変わる。
24 Skinner,B.F.はプログラム学習の直線型プログラムを、Crowder,N.A.は枝分かれ型プログラムを考案した。
25 刺激と反応の法則性のみを扱うS-R心理学に対して、仲介変数を用いる立場はS-O-R心理学とよばれる。
26 Skinner,B.F.はオペラント行動研究を通して実験的行動分析を確立し、それを教育や臨床の分野に応用して応用行動分析を確立した。
27 Tolman,E.C.は、ネズミの迷路学習の実験から、ネズミが刺激と反応の関係のみが学習されることを見出した。
28 Skinner,B.F.はオペラント行動の立場から言語獲得をとらえ、言語が他の行動と同様に強化の原理から獲得されるとし、言語行動をマンドとタクトに区別した。
29 オペラント条件づけでは、三項強化随伴性に一貫性がないほど、反応性が高まる。
30 Tolman,E.C.は期待や認知地図などの概念を操作的に定義することによって科学的な心理学としての認知論的立場をめざした。
31 PDPモデルは、一般的なコンピューターにおける情報処理を仕組みモデルとして、複数の処理ユニット(=神経細胞)が同時並行的に働いていることをモデル化したのもである。
32 脳画像化技術により、一枚のMRIイメージから特定の情報処理が行われている場所を特定することができる。
33 認知心理学の研究対象は、思考や判断などの高次機能に限定されている。
34 PDPモデルは、パターン処理などの前意識的処理をモデル化するのに向いている。
35 一般的なコンピューターのような一つの中央演算装置を置く直列集中処理に対し、PDPモデルでは複数の処理ユニットがあるために、一部の処理ユニットが故障してもある程度の処理がなされるという頑健性の利点を持つ。
36 認知心理学ではイメージ像のような主観的で個人的な現象も、実験的方法で測定し操作できる限り扱うことができる。
37 アニメーションは運動残効の効果によって運動の知覚を生じさせる。
38 刺激量の違いを区別する最小の刺激差を刺激閾という。
39 感覚量を表現する際に、観察者に感覚の大きさを直接的に推定させる方法をマグニチュード推定法という。
40 物理的な刺激量とそれによって生じる感覚量との関係を探求する研究は精神物理学とよばれる。
41 感覚量が刺激量の対数に比例することをWeberの法則という。
42 刺激によって本来生ずる感覚の他に異なるモダリティの感覚が生ずることがあり、これを共感覚という。
43 弁別閾(ΔI)を比較標準刺激の刺激量(I)で除した値(k)がほぼ一定になることをFechnerの法則といい、kはFechner比とよばれ、すべての各感覚で等しい。
44 図がお互いに簡潔なまとまりを作ることを郡化といい、郡化を決定する要因をゲシュタルト要因という。
45 視対象の方向に目を向けるために生じる急速な眼球運動はサッケードとよばれ、随意的にも反射的に生じる。
46 視覚野はさまざまな処理を分散的に処理しており、V2野は主に奥行きや輪郭を処理し、V3野は主に陰影から形を捉える処理を行っている。
47 網膜にある視神経が眼球外に出る経路である視神経乳頭とよばれる部位には光受容器細胞が存在しないために盲点が生じる。
48 固視と固視の間に数十ミリ秒で急速に視線移動を繰り返す現象をサッケードという。
49 右目からの視覚情報は左半球のV1野に到達する。
50 眼球は300ミリ秒程度の間一点を見つめる固視と、その間に数十ミリ秒で急速に視線移動をする固視微動を繰り返す。
51 語長効果とは視覚的に提示した単語を直後に再生させると音節数の多い単語ほど多く再生される現象をいう。
52 Tulving,E.はエピソード記憶、短期記憶、意味記憶、知覚的プライミング、手続記憶からなる記憶システムを仮定した。このうち、エピソード記憶、短期記憶、意味記憶は顕在記憶、知覚的プライミング、手続記憶は潜在記憶にあたる。
53 Squire,L.Rは記憶を、生活記憶、知的記憶、プライミング、手続記憶に区別した。
54 自伝的記憶は、将来に実行する行動プランの記憶で、外部的、補助的記憶手段の利用など、メタ記憶に依存する記憶法略に大きく影響を受ける。
55 作動記憶の概念は短期記憶よりも情報処理の遂行における能動的役割を重視している。
56 宣言的記憶は陳述記憶ともよばれる。
57 知覚的プライミングは、意味的な関連性の強さによって生じる。
58 語長効果とは視覚的に呈示した単語を直後に再生させると再生語数は単語の音節数の関数として減少する現象をいい、通常2秒間で読み上げることのできる数と一致する。
59 スキナー箱はシェイピング法の代表的な実験装置である。
60 条件づけが成立するまで要する試行数や時間は消去抵抗とよばれる。
61 連続強化スケジュールよりも間欠強化スケジュールに従って強化した方がオペラント行動の消去抵抗が高い現象は、部分強化効果とよばれる。
62 オペラント反応の頻度を増やす強化子は正の強化子、反応を消去する強化子は負の強化子とよばれる。
63 ある特定の弁別刺激に対するオペラント行動に対するオペラント行動の変化のしにくさを変化抵抗といい、強化率が低いほど反応変容操作に対する変化抵抗が大きい。
64 別の刺激が提示された場合には強化を与えないことによってその行動の頻度が減る手続きはオミッション訓練とよばれる。
65 正の強化子を与えることで行動が減少するのが罰訓練である。
66 オペラントの生起に対して強化刺激を一切与えないスケジュールを消去スケジュールという。
67 強化スケジュールにはターゲット反応を毎回強化する連続強化法や、ある確率で強化する間欠強化法などがあり、一度条件付けが成立すると連続強化より間欠強化の方が消去抵抗が高い。
68 オペラント行動に先行してある刺激が提示された場合には正の強化子を与え、別の刺激が提示された場合には負の強化子を与える手続きを般化手続きという。
69 最初にある刺激Aに条件づけを行うと、その後にもう一つ別の刺激Bを加えた複合刺激ABに同じ条件づけを行っても付加された刺激Bに対しての条件づけが生じない現象を阻止とよぶ。
70 習慣性の強い反応を疲労などの反応制止が生じるまで再現させてその反応と反応制止を条件づけることによって反応を消去させる手法を負の練習といい、チックの治療などで用いられる。
71 イヌに毎回ブザーが鳴ってから餌を与えるようにしたところ、ブザーが鳴るだけで唾液をたらすようになった。このとき、ブザーの音は条件刺激、ブザーの音だけで唾液をたらすことは条件反応である。
72 Skinner,B.F.は、複雑な扉をした実験箱であるスキナー箱を用いて、猫が試行錯誤学習によって脱出する時間が短くなることを明らかにした。
73 ビック・ファイブにおける開放性は、外交的で開けっぴろげな性質をさしている。
74 パーソナリティの類型論ではパーソナリティの典型例を記述して直感的に理解しやすいが、典型的でない中間的なパーソナリティを表現することが難しい。
75 Jung, C.G.は、人のパーソナリティが共通特性と個人に特徴的な独自の特性からなると考えた。
76 一般にビック・ファイブとよばれるパーソナリティ特性は、神経症傾向、外向性、開放性、調和性、内向性である。
77 Jung,C.G.は、心的エネルギーの方向性から外向性、内向性という類型を仮定した。
78 Erikson,E.H.は漸成発達論において、幼児期後期(3歳~6歳頃)の発達課題は積極性の確立にあるとした。
79 Erikison,E.H.は漸成発達論において、成人期(壮年期)(40歳~60歳頃)の発達課題は生殖性の確立にあるとした。
80 エディプス期は運動性器期ともよばれ、Freud,S.は神経症症状の形成に対するエディプス期の去勢不安を重視した。
81 Harlow,H.F.は愛着における餌付けを重視し、生命維持機能としての母親への愛着の機能を明らかにした。
82 Piaget,J.は、主体と事象との間を取り持つ媒体をシェマとよび、思考の発達段階をシェマの発達として捉えた。
83 Piaget,J.は、思考の発達段階における獲得時期の「ずれ」をデカラージュとよんだ。水平的デカラージュとは、同一の発達段階内で内容により獲得時期がずれる現象をさし、垂直的デカラージュとは、行為上で可能なことが表象上でより一般化された形で再構成されるといった、同じ事柄が発達段階でずれて獲得されることをさす。
84 Piaget,J.は、1歳前後の子ども表象能力を獲得することで、対象の永続性の概念を獲得するとした。
85 学習成立のための準備性をレディネスといい、Vygotsky,L.S.はレディネスの形成における成熟的要因を重視した。
86 抑圧された内的衝動が原因となって引き起こされる不安は顕在性不安とよばれる。
87 Cannon-Bard説では怖いから泣く、James-Lange説では泣くから怖いと考える。
88 行動理論では、不安とは情況を脅威的であると評価する認知であるとされる。
89 ソーシャル・サポートのうち情緒的サポートは、家族成員や友人など、親密な他者から提供されることが望ましい。
90 海馬の損傷により記憶障害を生じ、損傷以前の経験を思い出すことができなくなる。
91 ウェルニッケ野は前頭葉に、ブローカ野は側頭葉にあり、二つの言語野を弓状束がつないでいる。
92 脳脚幻覚症はアルツハイマー型認知症などで典型的にみられる。
93 物盗られ妄想は妄想性障害が原因で起こる。
94 同調への圧力により、集団の特性や成果がリーダーの人格特徴に過度に帰属されることがある。
95 認知的不協和理論では、喫煙者がタバコの害を伝えるニュースを見ることは認知的不協和を生じるのでこのニュースを見ることを回避したり、ニュースの信憑性を評価しないという行動をとることを予測する。
96 p-o-x理論はバランス理論ともよばれ、自己p、他者o、事物xの関係においてインバランスがある場合、それぞれの間の肯定否定の関係性がバランスをとるように変化することを予測する。
97 同調はあいまいな判断のみで生じ、単純な知覚では生じない。
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